ネット弁慶Bのブログ

書いてるのおっさんです。過去ログ修正削除多し。

17歳の塔 プチキス 感想と紹介

最近「17歳の塔」全10話(9話+読切)を読みました。
世間的に有名なのかどうかは知らないけど、私個人としては偶然この作品に出会った。
この作品に出会えて良かったと思った。 それくらい気に入った、面白かった。
おすすめ!

表紙だけ見ると「昭和の漫画かな?」とも思えるが、
2016年頃発表の作品のようです。
電子書籍で購入したので細かい作品情報がよくわからない)


題材は「女子高のスクールカースト」ではありますが、
男性でも身に覚えのある人間関係の話が多く、共感できる部分が大いにある話だと思います。




 

つかみの第1話で「クラスの女王」の転落劇・交代劇があり、
この二人は最後まで話の軸ではあるのですが、
漫画としては各話主役が変わるオムニバスといった感じです。

例えば、2話では元女王の取り巻きだった子が主役になっています。

私の感想だと、1話の女王たちの話は「観るもの」としておもしろかったのに対して、
2話の子の話は、「感じるもの」としておもしろかった、心に響くものがありました。

このへんは読んだ人の歩んできた人生によって変わるものではないかと思います。

3話になると 女王周辺の話とはほぼ無関係の人たちの話なんですが、
私個人としては、この話が一番 身に覚えがあったりして心に響きました。

過去(現在)の自分を見るようで、
「こうなっちゃいけないんだな」という反面教師の教科書。
(自分なりの)この漫画の読み方を把握した、確定させたような話でした。

3話の構造は大昔からいろいろな作品でやってるであろうもので、
個人的には水色時代を思い出したのですが、
勝手に思い返していた水色時代とオチが全然違ったので ギャップでちょっとたまげました。




 

全部読んでみて あらためて思うのは、
「美人で強いキャラは、やっぱり最後まで強キャラだった」という点。
(特に特別読切で主役のひとりになった桃原さん最強)

作中で一時的に のし上がったり、落ちぶれた人は居たけど、
最終的には結局、落ち着くところに落ち着いたように見えたなと…。

才能とか本質の壁は越えられないという作者のメッセージを見せられたような気も…。
バッドエンドなキャラが居ない作品だったので、自然とそうなっただけかもしれないが。
(いやまあ、みんな成長したけどね)

転落したキャクターを、
疎遠になっていた友人が救世主となって助けてくれるってのは感動もの、涙もの。

私の人生にはそういうことが無かったので、「漫画だなあ…」と言わずにはいられない。
でも人によっては本当にこういうことがあるんだろうね…。
だから声を大にして漫画だなあとは言えないんだけど。

漫画だなあと言いつつ泣きながら読んでましたけどね(笑

陰湿な前半からの後半の感動話の流れはオナニーマスター黒沢に近いかも。
こちらもオススメ作品なので、気になったかたは是非読んでみてくださいね。

ニコニコ動画には 漫画版に有志が音声を吹き込んだ動画がほぼ全話ぶんあります。
http://www.nicovideo.jp/mylist/11964377 (公式公認?黙認?)

「17歳の塔」に話を戻して。

クラスのいざこざを描きつつも、
年度末にそれは帳消しになる虚しさのようなものを表現している 
最終話の この画はとても好きです。

もちろん 学年の終わりにチャラになるからと言って、
当時の人間関係を嘲笑うような作品ではありません。
私の画像の抜粋の仕方が悪くて誤解を与えないよう、こちらの画像も載せておきます。


「17歳の塔 プチキス」、全10話ですが、「全10巻」と表記されていることが多いです。
電子書籍で1話ずつのバラ売り(100円程度)されているからだと思います。

紙の本なら1冊か2冊、そのくらいのボリュームの作品です。